啄木小公園から見た函館山(2004年4月4日)


函館山は俗に「臥牛山(がぎゅうざん)」とも呼ばれます。文字どおり、牛が臥しているような形に見えるためです。
この写真では、左端が立待岬、右の方の一番高いところに函館山展望台があります。

この啄木小公園は、海沿いの小さな公園で、すぐ脇を片側2車線の278号線が走っています。啄木の像と歌碑、ほかにトイレ、水飲み場、東屋などがあります。
この公園に隣接して、「土方・啄木浪漫館」があります。石川啄木土方歳三の展示コーナーをメインに、地域の土産物販売や軽食コーナーもあります。

啄木は、明治19年岩手県に生まれ、旧制盛岡中学を卒業後、執筆活動をしたり、代用教員をしたりしていました。明治40年函館に移り住み、妻子や母も呼び寄せて生活していましたが、大火により職を失い、函館を去りました。その後は札幌、小樽、釧路と、北海道内を転々とし、明治42年に上京。そして明治45年、肺結核のため27歳の若さでこの世を去りました。
啄木が函館にいた期間はわずか4ヶ月余りですが、この時期は啄木にとって最も幸せな時期だったとされています。
啄木は、この辺りをよく散歩していたとされています。歌碑には、「砂山の砂に腹這ひ  初恋の  いたみを遠くおもひ出づる日」と刻まれています。

それにしても、本当に小さくて、むしろ寂しい公園で、まるで啄木の人生を象徴しているかのような感慨もあります。地元の人にとっては、素通りするだけの場所なのかもしれませんが・・・。